ハートボイスプロジェクト

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2015年8月20日

発達障害

周りも本人も気づいていなくて
おそらく自閉スペクトラム症の特性を
たくさん持っているのだろうと思われる人に出会うと、
たいていの人が「どうして?」「何でそんなことをするの?」と、
疑問と同時に、怒りのような感情が出てくるようです。

それは、「○○はこうするもの」「○○はこうでなければならない」
「こうするのが当たり前」等、多数派がつくった社会での規範があるからです。

近年、多数派の人達の脳の働き方と
自閉スペクトラム症の人達の脳の働きが随分、違うということが分かってきています。

そうすると、分かりますよね?
多数派が当たり前だと思っていることが
少数派の自閉スペクトラム症の人達が考える当たり前が違うということ。

ここで、両者の間で問題が起きるわけです。
「なんで、そんなことをするんだ!」
「どうして、理解できないんだ!」と
両者ともに相手に自分のことを理解してほしいといった気持ちから
攻め合うようになります。

こういった理解し合えない状態が続くと
人間関係が大きく崩れていきます。

人間関係の悩みのほとんどが
おそらく脳の働き方の違いから来ているのだろうと
私は思っています。

じゃ、どうするか?
「自分の当たり前を、他者も同じように当たり前だと思わない」
ということを知っておくといいです。

そして、相手に自分の気持ちを察して欲しいなどとは望まず、
具体的に「私はこうして欲しいのです」と伝えればいいわけです。

ただ、ここで注意することがあります。
それは、人それぞれ持っている困難さが違うので
相手の困難さを無視した形で「こうして欲しい」と望むことはできないのです。

例えば、脳機能障害から場の空気が読めない人や
察することができない人に「空気を読め」とか
「察してほしい」とは言えないのです。

ディスレクシア(読み書き困難)のある人に
「間違わずに読みなさい」とか「きれいに正しく字を書きなさい」
というのも、おかしな話なのです。

つまり、まずは誰もが多かれ少なかれ持っている
発達障害への特性理解が大前提なのです。

そして、曖昧な表現を避けて、直接的に伝え合わなければ、
自閉スペクトラム症の特性を多く持つ人との関係は
うまくいかないと思っておいた方がいいでしょう。

つまり、脳の働き方がとにかく違うのですから
「そんなストレートにものは言えない」
「あまりに具体的に詳細に伝えていたら
相手を馬鹿にしているように思われるのではないか?」と思っている間は
とにかく自閉スペクトラム症の特性を多く持っている人たちには
伝わらないんだと肝に銘じておくと
案外すんなり理解してもらえることが多いのですよ。

自閉スペクトラム症といっても、みんな違いますから
研究結果がすべて当たっているとは言い切れませんが、
こういった報告もありますので参考までにリンクしておきます↓
マイナビニュース[2014.7.10]
自閉症はなぜ自分の動作を真似されたことを気づくのが苦手なのか

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