ハートボイスプロジェクト

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2015年8月24日

二次障害

発達障害

行動理論に基づき、子育てのコツをお伝えしている
特別支援教育ジャーナリストの中谷美佐子です。

取材をしていると、こんなお話をよく聞きます。
代表的なものを以下にまとめてみます。

「小学4年生頃から、私のことを、クソババアと呼ぶようになって
殴る・蹴るの暴力をふるうようになりました」

「小学6年生あたりから、家の中をめちゃくちゃにして
物を壊すようになりました。もう家庭は崩壊しています」

「小学3年生のときに、いじめにあって、それから不登校になり、
現在、18歳ですが、仕事をする気がなく家でビデオばかり見ています」

「中学生になってから、学校へ行くと腹痛や頭痛が出るようになって、
早退して帰宅してからも激しい痛みに狂い続けていました。
どこの病院に連れて行っても異常なしで、対処のしようがなく
しばらく、毎日、精神安定剤を飲んで家で寝ていました。
ようやく学校に行けるようになったら
今度はいじめにあって、今では毎日「死んでやる~」と叫んでいます」

「小学5年生から不登校、そのまま、ひきこもりになって、
18歳くらいからバイトに行くようになったのですが、
どうも人間関係がうまくいかないようで、バイトを転々としています」

「小学校の高学年ごろから、学校の先生が悪い、
親が悪い、周りにいるやつらは皆おかしいやつらばかりだと言うようになりました。
私(母親)が何を言っても、おまえが言っている意味が分からん、
もっと分かりやすくしゃべれ!と怒ります。
白か黒かはっきりしろ!白でも黒でもないようないい加減な話はするな!と
怒り狂います。私の育て方が悪かったのでしょうか?」

皆さん、とっても困っていらっしゃるということは本当によく分かります。

本人も家族も何が原因で家族がこんなにも苦しくなってしまったのかが
分からないのですね。

実は、この苦しみの原点は
本人も家族も学校も地域社会も
発達障害への特性理解がなかったということだろうと
私は思っています。

その理解がなかったために、
本人に普通に(多数の人達のように)なるように
強要してしまったということです。

人はみんな感じ方や受け止め方が違うということを
互いに認めてこなかったというか、、、
どういった部分が互いに違うのかを
具体的に誰もが知らなかった、、、ということでしょう。

今からでも遅くありませんから
発達障害について勉強していけばいいのですよ。

そのためには、まずは「障害」に対する考え方を
「違い」として捉えることから始めることをおススメします。

そうしないと、「自分の子どもに障害があるのは嫌だ」となってしまうでしょ!?

何度も言いますけれど、
「障害」はその人の中にあるのではなく
人と人との間に「違いを認め合うことができない障害=障壁」があるのですよ。

勉強して、発達障害への特性理解がすすめば
互いにやさしくなれると思います。

人は相手を普通だと思っているから
(自分と同じだと思っているから)
怒りやイライラが出てきて、
ぶっちぎれてしまったりするのです。

自分がぶっちぎれたときは
「あれ?今、私が怒っているのは、ひょっとすると
発達障害について理解できていないのかも!?」
と思うようにするといいかもしれませんね。

そうすると、怒りがスーッとなくなるかもしれませんよ。

発達障害のある人達は広範囲に渡って
不具合や困難さがあり、本当に苦しんでいますから
まずは、私達が彼らの苦しみを理解することで
穏やかな生活が始まっていきます。

では、発達障害の人達はなぜ暴れるのか?
なぜ自暴自棄になってしまうのか?を理解するために
当事者のブログを読んで、まずは彼らの気持ちを理解していきましょう↓
「発達障害な僕たちから」

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学校関係者、児童デイ、家庭教師、塾講師、
子育てが一段落した保護者の方々、ぜひ、ご参加ください。
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