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怒らないで子どもの良い行動を引き出す方法

2017年6月8日

子どもをあたたかく育てるコツ講座(ライブ)

子育て

学校

支援・トレーニング

発達障害


*講座休憩中のお抹茶と上用饅頭の写真です。

こんにちは。
広島で子どもの発達段階に合わせて
行動理論に基づいた子どもを怒らないで良い行動を引き出すコツを
お伝えしているハートボイスプロジェクトの中谷美佐子です。

昨日【保護者のための】子どもをあたたかく育てるコツ講座
第6回を開いていたので少しばかりですが書いておこうと思います。

昨日は低気圧が来ていて雨も降っており
参加者が体調を崩されなければいいな~と思っておりましたら
案の定、お1人、熱を出されてお休みされました。

低気圧がやってくると頭痛がする人、身体がだるくなる人、
寝込んでしまう人など色んな人がいます。

特に発達障害のある子ども達は低気圧にとても弱いですから
どうかあまり無理をさせないで休ませてやってください。

さて、昨日は子どもの困った行動を減らす方法をお伝えしたのですが、
たいてい真っ先に子どもの困った行動を減らす方法として
私達が思いつくのが「怒る」とか「怒鳴る」だと思います。

子どもは大人が怒ると、その瞬間だけはその困った行動をやめるので
こちら側(大人側)の怒るという行動が強化されてしまいます。

そのため、大人は子どもが何かしら困った行動をすると
すぐに怒るようになります。

そうすると、子どもはますます困った行動をするようになり
子どもはますます大人から怒られるといった負の連鎖が続きます。
これがエスカレートすると虐待になりますのでお気をつけください。

度々お伝えしているように
子どもを褒めることも怒ることも、
子どもに注目していることになりますから
子どもの良い行動も悪い行動も強化していくことになるのです。

だから、良い行動には「褒める」
困った行動には「注目しない」となります。

では、注目しないようにするにはどうしたらいいのかを
昨日、講座の中で延々と話したわけですが、、、

怒ることは、子どもの脳への悪影響だけでなく、
子どもがますます困った行動を強化していくため
怒らないで子どもの良い行動を引き出すテクニックを
私達大人は知っておいた方がいいのです。

講座の中では子どもの困った行動に対して
(怒らないで済む)対応方法を丁寧に説明していきました。

こちらに簡単にその流れを書いておきますので参考にしてください。

まず子どもが困った行動を始めたら
私達大人は子どもの行動に注目しないようにします。

子どもの様子を見てみぬふりをしながら
子どもの良い行動が出るのを待ちます。

そして、子どもが良い行動を始めた瞬間を狙って
その良い行動を言葉にして褒めるのです。

この繰り返しを約3か月すると
たいていの子どもの困った行動はなくなります。

この講座では記録をつけながらこういった方法を
実践していきますので、明確に子どもの変化を見て取れます。

そのため、こちら側(大人側)も子どもが勝手に悪くなったのではなく
こちら側(大人側)が子どもの困った行動を強化するような
声のかけ方や関わり方をしていたことに気づきます。

そうすると、こちら側(大人側)に大きな変化が起きるのです。
つまり、子どもは勝手には悪くはならないということに気づきます。
子どもが良くなるのも悪くなるのも大人次第と気づくのです。

人は気づくと変われますから、私達大人がより良く変わるために
記録をつける練習をするのが、この【保護者のための】
子どもをあたたかく育てるコツ講座なのです。

来週は困った行動が強化されてしまっている場合に
制限を設けて適切な行動へ導く方法をお伝えする予定です。
お楽しみに♪

秋からの講座は2017年9月から開始します。
詳細はこちらからご覧ください。残り3席です↓
【保護者のための】子どもをあたたかく育てるコツ講座

不定期ですがメルマガを発行しています。
子育てのコツや、行動理論に基づいた子どもとの関わり方、
多様な人達、違いを認め合える関係づくり等について書いています。
また、ハートボイスプロジェクトの講座案内等もお送りします。
ご希望の方はこちらからお申込できます。購読は無料です↓
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第4期 子どもをあたたかく育てるコツ講座 8回目 子どもの協力を引き出す方法

2016年11月25日

子どもをあたたかく育てるコツ講座(ライブ)

子育て

学校

支援・トレーニング

発達障害

img_4126

広島で行動理論に基づいて
子どもの問題行動を解決に導いている
ハートボイスプロジェクトの中谷美佐子です。

今日は第8回「子どもの協力を引き出す方法」の日でした。

子どもの協力を引き出すには
やはり、私達大人の声のかけ方が重要となってきますので
今日は疑問形の声かけや
ダブル否定は子どもには分かりにくいこと等を
お伝えしていきました。

さて、私も含めて大人というのは
何気に疑問形の指示を子どもに出していることが多いため
結構、子どもに伝わっていないのです。

例えば、さっさとやって欲しい時に
「いつやるん?」と聞いていたりしませんか?

そうすると、子どもが「あした」なんて答えてしまうわけです。

その答えを聞いた私達大人は
たいてい腹が立ちます(笑)

でも、よく考えてみると「いつ始めるのか?」と
時を聞いているのですから、
子どもは「あした」と答えただけなのですが
ここで子どもは怒られるわけですね。

こんな繰り返しをしながら
子どもはどんどん自己肯定感を低下させていきますから
ぜひとも、ストレートに「今、やって欲しい」という気持ちを
伝えて頂きたいと思います。

特に発達障害を持っているお子さんでしたら
お母さんの言葉の裏の意味まで分かりませんから
素直に言葉を言葉通りに受け取って答えてしまいます。

やはり、子どもが分かりやすい表現で
具体的に、ストレートに伝えるのが一番です。

そして、子どもがお母さんの要求に応えてくれたときは
一所懸命がんばったときなので、うんと褒めてやって欲しいと思います。

この褒め言葉が子どもの良い行動を強化させていくのですから
どんなときも最後は褒めて終わるというのがポイントです。

今日はこの他にもブロークンレコードテクニックだとか
子どもに選択させる声のかけ方等もお伝えいたしました。

さすが、8回目ともなるとお母さん達が
子どもを上手に何が良かったのかを具体的にしめしながら
褒められるようになってきます。

そうすると、お子さんも「ああ、こうすれば、お母さんが褒めてくれるんだ。
こうしたら良かったのか!今度からこうしよう」と前向きになってきて
良い行動が定着し始めます。

つまり、この時期はお母さんもお子さんも
自己肯定感が高まってきて嬉しくなるのですね。

だから、私も嬉しくなります。
今日もそんな一日でした。
お母さん達との出会いに感謝です。

2017年4月からスタートの
子どもをあたたかく育てるコツ講座は満席となりました。
ご参加希望の方は2017年9月からスタートする
第6期までお待ちください。

子どもをあたたかく育てるコツ講座の詳細は
こちらからご覧いただけます↓
【保護者のための子どもをあたたかく育てるコツ講座】

発達障害の人の幼少期から成人期にかけての
関わり方や学齢期から身につけておきたいこと、
就職してから大切なことについて知りたい方は
12月4日(日)に公開講座を開きますのでご参加ください↓
NPO法人日本インクルーシブ教育研究所

11月28日(月)24時に〆切りますので
ご参加希望の方はお申込をお早めに願います。
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良い行動を増やすための「無視」ってどんなもの?

2016年6月5日

子育て

学校

思春期

支援・トレーニング

発達障害

オーストラリアの植物

広島で発達に偏りのある子ども達の育て方のコツを
ハートボイスプロジェクトでお伝えしている
特別支援教育ジャーナリストの中谷美佐子です。

発達障害のある人達や一般的な子育てでは
なかなかうまくいかない場合、
応用行動分析を使うことがあります。

この応用行動分析には
人の困った行動を減らすのに
「無視」という方法を使います。

「無視」と言っても
いじめ等で使う無視とは全く質的に違います。

「愛を持って見てみぬふり」をするということです。

分かりやすい例で言うと、
おやじギャグを炸裂させる男性に対して、
若い女子達が喜んで?(気を遣って?)笑えば笑う程、
その男性は「みんなが喜んでいる」と思いますから、
おやじギャグを炸裂し続けます。

もし、このおやじギャグを本当になくして欲しいと望んでいるなら、
誰もが「愛を持って見てみぬふり」をすると、
いつしか、この男性はおやじギャグを言わなくなります。

ただ、2か月以上、根気よく「愛を持って見てみぬふり」をしなければ
おやじギャグを言わないという行為は定着しません。

そして、「愛を持って見てみぬふり」だけではいけないんですね。
自分に注目してもらうために、
おやじギャグを飛ばしているわけですから、
おやじギャグがなくなったとしても
別の注目をしてもらうための行為が始まります。

それを回避するために必要なのが、
適切な言動が出たとき、即座に「褒める」ということです。

この適切な行為に対して「褒める」ことが本当に大切です。

この適切な行為に対して「褒めて」強化していくと
子どもでも大人でも、必ずよい言動が増えていきますので
ぜひお試しください♪

こんな技術をとことん身につけたい方は下記の講座です↓
2016秋冬【保護者のための】子どもをあたたかく育てるコツ講座

合理的配慮、どうすればいいの?Radio on air

2016年4月13日

メディア

仕事

子育て

学校

FMちゅーピー
左からFMちゅーピーの水田アナ、石田チーフディレクター。
一番右が私です。

昨日のFMちゅーピーすまいるパフェ
MISAKO先生のVIVA! 発達凸凹~s! では
今月1日に施行されたばかりの
【障害者差別解消法】についてお話しました。

内容は以下にちょこっとまとめておきます。

この法律【障害者差別解消法】は
不当に差別をしてはいけませんよというもので、
その人が困らないように
できる限りの「合理的配慮をしなければならない」と
定められています。

合理的配慮というのは、
例えば、知的障害のある人には
ふりがな付きの文章にするとか、

ディスレクシアがあって、読み書き困難がある場合は
ICT機器を使ってもいいとか、

どうしても教室で、発達上、体が動いてしまう子には
授業中、体を動かしてもいい時間を設けるとか、
体を動かしてもいい授業づくりをするとか、

その人に合った工夫(配慮や互いの調整等)をすることを
【合理的配慮】と言います。

つまり、個々によって合理的な配慮は異なるため、
みんなが障害特性について知っていないと
配慮(調整)をするということは難しいだろうと
私は思っています。

この法律はどんなところが新しいのかと言うと
今まで、その人ができないのは「障害のせい」と捉えられてきましたが
これからは「障害のせい」にするのではなくて
「社会のせい」と考えてみませんか?ということだろうと思います。

知的障害があるから、人の話が分からないのではなくて
知的障害がある人が分かるように
ふりがなをつけたり、具体的に書いたりしていない
社会環境に原因があるのだと捉えてみようということです。

社会全体で、障害があると言われている人達と
一般的に健常者と言われている人達の間にある大きな壁(障壁)を
なくしていきましょうと言っているのがこの法律です。

それで、この法律は学校やお役所などの公的機関に
義務づけられているので
学校等ではお子さんへの配慮について
お母様方は伝えやすくなったと思っています。

これまでは子どもが学校に合わせるといった形でしたが
これからは学校がそれぞれの子どもの障害特性に合わせて
配慮や調整をしていかなければなりません。

「私はこういうことに困っています」
「私の子どもはこうすると上手くいきます」
「こんな工夫をしてもらえると助かります」といったことを
伝えやすい社会にしていける第一歩かな?と
私は思っています。

そして、合理的配慮というのは、障害があるからと言って
「最初からあきらめなくてもいいんですよ。
ちょっと工夫すれば大丈夫だし、
社会環境をちょっと整えれば何とかなるよね?」
というところから始まっていけるといいですね。

もう既に、どの学校もやっていますけど、、、
例えば、車椅子に乗っている子がいます。
車椅子だから階段は登れません。
だからと言って、学校にエレベーターをつけろ!と
要求するのではなくて、
車椅子の子がいるクラスを1階にするという
工夫をしていますね。

つまり、両者の要求をうまく調整しているわけです。
これが合理的配慮なのです。

何はともあれ、
大切なのは本人との対話ですから、
どんな時に困難さを感じるのか?
その困難さにはどのような配慮や調整が必要なのかを
両者が丁寧に話し合うことが必要なのです。

困っていることに対して、本人そっちのけで
話を進めていってはいけませんよね。

そして、これから保護者の皆さんは
「自分の子どもの障害特性を学校へ伝えると
モンスターと思われるんじゃないか?」とか、

「こういった配慮が必要ですと伝えると
メンドクサイと思って嫌われるんじゃないか?」等と思わず、
【伝えていく力】をつけていくことが問われているかもしれません。

伝えることによって、(互いの立場への理解不足から)
両者が対立することがよくありますが、
合理的配慮は誰のためにあるのか?を
私達は常に考えておかなければならないでしょう。

合理的配慮というのは、
互いに配慮するというよりも、
互いに調整するといった方がいいと思います。

だから、みんなで互いに調整しながら
みんなが一つになって
この法律をみんなが幸せでいられる
ためのものにしていきましょう!

考えてみれば、健康な人だって
助け合いながら暮らしているわけですから、
人は一人では生きていけないことを
もう一度思い出してみないといけないような気がします。

障害者差別解消法は
「自分が必要な助けを求めてもいいんだよ。
自分が必要な助けを得てもいいんだよ。
みんなが必要な助けを求めることができる
社会にしましょうよ!」と伝えてくれているように
私は思うのです。

障害者差別解消法については
内閣府のホームページから
リーフレットをダウンロードすることができます↓
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet.html

こちらは『わかりやすい版』です↓
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_wakariyasui.html

昨日のラジオでは、こんなお話をいたしました。
次回は5月10日(火)午後2時からです。
Ustreamでもご覧頂けます。

不登校ゼロの学校をつくろう♪

2016年1月27日

学校

広島の空

広島で行動分析に基づき
子ども達をあたたかく育てるコツをお伝えしている
ハートボイスプロジェクトの中谷美佐子です。

ここのところ、広島は大雪が降って
スキー場は最高のパウダースノーとなっています。

っが!今日はとってもあたたかくなっているため、
あっという間に雪がなくなってしまいそうです。
不安…

さて、今日は大阪でインクルーシブ教育を
やってのけたかもしれない校長先生をご紹介しようと思います。

社会問題化する子ども達の不登校をゼロにしたのは、
2006年に開校した大阪市立大空小学校初代校長で、
2015年に退職後、全国各地で講演活動を行っている
木村泰子さん(65才)です。

関西テレビが制作したドキュメンタリー映画
「みんなの学校」で知られる木村先生のことです。

不登校は子どもが合理的配慮のない学校へは行けないよ~
という意味だったり、
ちょっと休憩が必要なんだよ~といった意味でもあったり、
それぞれ理由は異なっていて
不登校というのは「子どもの生きる力」とも言えますが、、、
理由はこんなところにあるかもしれません↓
不登校新聞412号 2015/6/15

では、木村さんの言葉を紹介したいと思います。

「【すべての子供の学習権を保障する学校をつくる】
という学校理念のもと、大阪市立大空小学校の
初代校長を開校から9年間務めました。

最近の学校は、頑丈なスーツケースみたいです。
長い棒は、端っこをポキンと折らないと入れない。
まん丸の大きいボールを入れれば、フタが閉まらない。

つまり、学校が子供の個性を尊重しない。
学校の理想通りの子供以外は認めないんです。
ですから、学校のニーズに合わない子は大変です。

大空小学校を、そんな場所にしたくなかった。
学校をすべての子供の居心地のいい場所にするため、
校則やマニュアルはつくらず、
「たったひとつの約束」だけをつくりました。

「自分がされていやなことは人にしない、言わない」
──それは、子供だけでなく、すべての教職員も守ります。

《結果として、大空小学校での不登校児はゼロ。
学校の噂を聞いて、大空小学校に通わせるために、
他県から校区に引っ越して来る
不登校児を持った親がたくさん出ました》

多くの不登校児とその親からさまざまなことを学びました。
子供が学校に行きたくないと言い出した時、
親は、つい「怠けてる」とか
「サボろうとしている」と思ってしまいがちですが、
子供は困っています。

すると、胸が苦しくなったり、痛くなったりするのです。
学校で保健室に行くと、
「そんなところにつける薬はない」と言われる。

しんどくなってもどこにも助けを求められないことが続くと、
怖くて学校に行けなくなってしまうのです。

そんな子供に「どうして学校に行けないの」と
周りの大人たちは理由を聞きますが、
大人が納得するような理由を子供は言えません。

その子が行けるようになるには、
学校に安心して過ごせる居場所があるかどうかなのです。

大空小学校の場合、
その子が安心して学校に来られるようにするため、
「自分たちがどう変わればいいか」ということを
いつもみんなで学び合っています。

学校に行けなくなった子供は悪くありません。
責めないであげてください。
お母さんは、自分や周りの子供が不登校児になったら、
学校に伝えて、みんなで一丸となって
安心できる居場所を学校につくることに
全力で取り組んでください」
女性セブン2016年2月4日号

日本中に、木村泰子さんのような先生が
もっともっと増えていくといいですね。

あっ!ただ、子ども達が学校に来てくれさえすれば
不登校ゼロになるからといって、
(何の合理的配慮もなく)30日前にちょこっと学校に来させて
不登校ゼロにしている学校もあるようですが、、、
これはいけませんよ。

行動分析に基づいた子どもの問題行動プログラム
「保護者のための子どもをあたたかく育てるコツ講座」
申込受付中です。残り2席↓
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