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自信がないときは、どうする?

2015年5月18日

子育て

発達障害

発達障害のお子さんを育てているお母さんが
よく「私、自信がないんです」とおっしゃいます。

「自信」というのは
「自分」を「信じる」と書いて
「自信」というくらいですから、
やはり、自分を信じることができるようにならないと
自信はつかないのですね。

じゃ、どうするか?
ちょっとづつでいいから、
発達障害について
正しく勉強していくしかないのです。

中途半端な知識では
どうやっても発達障害の子ども達への
対応はうまくいきません。
※大人の発達障害への対応も同様です。

もちろん、発達障害に関して
何の知識ももっていないけれど、
とてもうまく対応して
穏やかな暮らしをしている人たちだって
たくさんいます。

それは、互いの困難さに目を向けているから
その困難さを、知らず知らずのうちに
サポートしあうことができるようになっているのですね。

でも、みんながみんな、
そう簡単に子どもたちの困難さに目を向けて
対応を変えたり、工夫したりできるものではありませんから、
やはり、地道に勉強していくしかないのです。

そうすると、子どもたちの行動の意味が
一つ一つ分かってきます。
※大人でも子どもでも、どんな行動にも
必ず理由があります。

行動の意味(背景や理由)が分かってくると、
どうすればいいのか?
どう言葉をかければいいのか?
どのように支えればいいのか?などが
明らかに分かってきますから、
自分の中で「すとん」と落ちて
「あ~、そうだったのか。こうすればいいんだ」と
分かってくるわけです。

そして、うまくいった対応や言葉がけを
積み重ねていくことで、
「自分は大丈夫!子どもも大丈夫!」と
思えるようになって、
いつしか「自信」が持てるようになっていくのですね。

だから、発達障害は、
中途半端な知識では差別や偏見を生み出すだけで
何にもいいことはありませんから、
本であれば30冊くらい読んで、
この人に教えてもらいたいという先生(専門家)を見つけて、
ぜひ、その先生について
2~3年は勉強してみるといいと思います。

また、いろんな先生(専門家)のお話を聞くことも大切です。
それは1人の先生を絶対視し始めると
たいていの人が「~ねばならない」とか
「~すべき」思考に陥ってしまうからです。

私は「ねばならない病」とよんでいますが(笑)
この病は実にやっかいで
生きづらさを更に加速させていきますから、
十分にお気を付けいただければと思います(笑)

そうしているうちに、
「な~んだ、発達障害って自分にもある特性で
その度合い(程度)が強く出すぎたとき、
子ども達が生きにくくなっているんだな」ということが
分かるようになります。

そうすると、どのように対応すると
互いに心地よくいられるかということを人は考え始めます。

そして、一番大切なこと。
それは、自分の考え方や捉え方、
見方などを変えていくことで、
どんなときも幸せでいられるということに
気づいていくのです。

そうしているうちに、
「自信」がついていきます。

実は、発達障害の子育てに自信を持つには
時間と努力が必要なのですね。

誰しも、一足飛びには
「自信」をつけることはできないのです。

そう!自信がないときは
勉強するしかないのです。

嫌味が分からない

2015年5月9日

子育て

発達障害

これは自閉症の子どもとお母さんの会話です。

母「もう3時間もゲームしてるよ。
  ゲームは1日2時間までって決めてるよね。
  ゲームは終わりです!」

子「分かった。すぐにやめる」

ーーー30分後ーーー

母「すぐにやめるって言ってから、30分も経ったんですけど。
  3時間30分もゲームするなんて、たいしたもんだ!
  このたいしたもんだ!っていうのは嫌味だよ」

子「自閉症の人って、嫌味が分からないから困るんだよ。
  嫌味って分からないから、本気でありがとうって答えちゃうんだよね」

と言いながらも、このお子さんは更に30分ゲームをしたそうです(笑)

このお母さんのすば
らしいところは

嫌味がどんなものかを具体的に教えているところです。

たいていの自閉症の子ども達(大人も同じ)が
嫌味を褒め言葉と捉えていることもありまして、、、
ぐちゃぐちゃの部屋を見たお母さんが
「まあ、なんてきれいな部屋なの」と言うと
「あ~、これでいいんだ」と思って
部屋を片付けようとしないということがよくあります。

どうか、自閉症の人達に嫌味を言わないでいただければと思います。
嫌味は通じませんから

伝えるときは、具体的に、ストレートに
どうすればいいかを伝えるのがポイントなのですね。

ちゃんと話を聞かないといけない?

2015年4月9日

発達障害

いまだに自閉症の人たちに
「ちゃんと話を聞かないといけません」と
言っている人たちが結構いるのですよ。

発達障害を正しく理解してもらうには
もうしばらく時間がかかりそうです。

さて、自閉症の人たちの障害特性というのは
耳からの情報処理がうまくいかないわけで、
本人も「ちゃんと話をきかないといけない」
ということは分かっているのですが、
うまく聞けないのです。

そこで、今日は、視覚的な支援や配慮というものは、
自閉症の人たちにとってはなくてはならないものだ
ということについて書いてみたいと思います。

耳が聞こえない人には、
手話や筆談という手段があるから
コミュニケーションが可能になります。

目が見えない人には点字があるから、
安心できる生活が可能になります。

それと同じように視覚的な支援や配慮は、
自閉症の人たちが豊かな生活を送るために
必要不可欠なのです。

でも、それらがなかなか取り入れられない現状が
いまだに社会全体であります。

自閉症の人たちに
「ちゃんと話を聞いてください」とか
「空気を読んでください」というのは、
足が不自由で車椅子生活をしている人に
『頑張って歩いてください』ということと同じなのです。

目で見てわかる障害に対しては、
私たちは無理なことや難しいことを言ったり、
要求をしたりしません。
すぐに、それに対して必要な支援や配慮を行いますよね。

それと同じように、
私たちは、自閉症の人たちにとって
必要な支援や配慮ができる社会に
していかないといけないと思うのです。

それって本当に当たり前?

2015年3月25日

人生・心

気になること

発達障害

「当たり前」「当然」「~すべき」という言葉を聞くと、
私はドキッとしてしまいます。

そして、しばらくすると、
何だかな~、、、と思ってしまうのです。

それも、発達障害を勉強している人達からだったりすると、
何とも言えない気持ちになって
「はあ~」と溜息をついてしまうことさえあります。

実は、発達障害を勉強していくと、
「当たり前」や「当然」ということがなくなっていくのですね。

それは、みんな違うからです。

みんな違うということを知ると
みんな感じ方が違うということが分かります

その感じ方が、いかに、みんな違うかということを知ってくると
結局のところ、人の生き方に関わってくるということ。

人生とは何か?
生きるとは何か?
人間とは何か?
いろいろ考え始めるわけです。

そうすると、私達はなぜ生きるのか?を模索するようになり、
いつしか自分らしく生きるためには
どうすればよいのか?を考え始めるわけです。

この辺りから、人は穏やかに生きるとは?
幸せに生きるとは?を考えるようになり、
人と比べない生き方の大切さが分かるようになっていくのですね。

そうすると、人によっては自己中心とか
我が道を行くなんて言われてしまいますけど、
そうではないんですね。

自分と周りが幸せに生きるための
考え方の工夫ができればいいわけです。

発達障害を勉強すると、
こんな私でも精神性を高める努力をしようと思うくらいですから、
誰もが発達障害の勉強をするようになると
実に穏やかな社会が築けると思う今日今頃なのであります。

自閉症の人の「話すこと」と「聞き取ること」

2015年3月23日

発達障害

私は、自閉症の人達の
「言葉を話すこと」と「聞き取ること」の
能力は大きく違うと思っています。

自閉症の人達はざっくり2つに分けるとするなら
「よくしゃべる人」と「発語がない人」と
分けることができるでしょう。

一見、よくしゃべる自閉症の人は
聞いて理解することもかなりできるだろうと
思われてしまうのが難点です。

つまり、彼らはしょっちゅう誤解を受けることになるのです。

実際には、しゃべる程には聞いて理解することが
うまく理解できないのが自閉症の人達なのです。

そんなこと、一般の人達には全くもって
理解できないので、かなり誤解が生じます。

会話がうまく成立しないことに違和感を覚えたとしても
ふざけているんじゃないか?
悪意があるのではないか?
ごまかそうとしているのではないか?
とぼけているのではないか?
怠けているのではないか?などなど、、、
とっても悪いほうに誤解されやすいのです。

そういったことで、
コミュニケーションの行き違いから、
人間関係が崩れてしまうことも少なくありません。

だから、自閉症の人で、自分の特徴に気づいている場合は
自身の特徴や事情を前もって説明しておくといいでしょう。
※気づいていない人は専門家等に聞いて、ご自身の特徴について
知っておくといいと思います。

また、できるだけ書いて伝えてもらえるように
お願いするのもいいかもしれませんね。

一方、一般の人達は
しゃべる程には聞き取りがうまくいかない人も
この世の中には結構いるのだということを知っておくと、
いざこざが少なくなるでしょう。

発達障害の特性をたくさん持っていたとしても
たいてい一見普通に見えますから、
どうしても平均的な発達をしている人達と同じように
何でも理解できると思われてしまいがちですが、、、

「実はそうではない」ということを
みんな(自閉症の人も周りの人も)が理解できるようになると
この世の中はとても穏やかになっていくだろうと思います。