ハートボイスプロジェクト

ハートボイスプロジェクトブログ

2016年1月27日

学校

広島の空

広島で行動分析に基づき
子ども達をあたたかく育てるコツをお伝えしている
ハートボイスプロジェクトの中谷美佐子です。

ここのところ、広島は大雪が降って
スキー場は最高のパウダースノーとなっています。

っが!今日はとってもあたたかくなっているため、
あっという間に雪がなくなってしまいそうです。
不安…

さて、今日は大阪でインクルーシブ教育を
やってのけたかもしれない校長先生をご紹介しようと思います。

社会問題化する子ども達の不登校をゼロにしたのは、
2006年に開校した大阪市立大空小学校初代校長で、
2015年に退職後、全国各地で講演活動を行っている
木村泰子さん(65才)です。

関西テレビが制作したドキュメンタリー映画
「みんなの学校」で知られる木村先生のことです。

不登校は子どもが合理的配慮のない学校へは行けないよ~
という意味だったり、
ちょっと休憩が必要なんだよ~といった意味でもあったり、
それぞれ理由は異なっていて
不登校というのは「子どもの生きる力」とも言えますが、、、
理由はこんなところにあるかもしれません↓
不登校新聞412号 2015/6/15

では、木村さんの言葉を紹介したいと思います。

「【すべての子供の学習権を保障する学校をつくる】
という学校理念のもと、大阪市立大空小学校の
初代校長を開校から9年間務めました。

最近の学校は、頑丈なスーツケースみたいです。
長い棒は、端っこをポキンと折らないと入れない。
まん丸の大きいボールを入れれば、フタが閉まらない。

つまり、学校が子供の個性を尊重しない。
学校の理想通りの子供以外は認めないんです。
ですから、学校のニーズに合わない子は大変です。

大空小学校を、そんな場所にしたくなかった。
学校をすべての子供の居心地のいい場所にするため、
校則やマニュアルはつくらず、
「たったひとつの約束」だけをつくりました。

「自分がされていやなことは人にしない、言わない」
──それは、子供だけでなく、すべての教職員も守ります。

《結果として、大空小学校での不登校児はゼロ。
学校の噂を聞いて、大空小学校に通わせるために、
他県から校区に引っ越して来る
不登校児を持った親がたくさん出ました》

多くの不登校児とその親からさまざまなことを学びました。
子供が学校に行きたくないと言い出した時、
親は、つい「怠けてる」とか
「サボろうとしている」と思ってしまいがちですが、
子供は困っています。

すると、胸が苦しくなったり、痛くなったりするのです。
学校で保健室に行くと、
「そんなところにつける薬はない」と言われる。

しんどくなってもどこにも助けを求められないことが続くと、
怖くて学校に行けなくなってしまうのです。

そんな子供に「どうして学校に行けないの」と
周りの大人たちは理由を聞きますが、
大人が納得するような理由を子供は言えません。

その子が行けるようになるには、
学校に安心して過ごせる居場所があるかどうかなのです。

大空小学校の場合、
その子が安心して学校に来られるようにするため、
「自分たちがどう変わればいいか」ということを
いつもみんなで学び合っています。

学校に行けなくなった子供は悪くありません。
責めないであげてください。
お母さんは、自分や周りの子供が不登校児になったら、
学校に伝えて、みんなで一丸となって
安心できる居場所を学校につくることに
全力で取り組んでください」
女性セブン2016年2月4日号

日本中に、木村泰子さんのような先生が
もっともっと増えていくといいですね。

あっ!ただ、子ども達が学校に来てくれさえすれば
不登校ゼロになるからといって、
(何の合理的配慮もなく)30日前にちょこっと学校に来させて
不登校ゼロにしている学校もあるようですが、、、
これはいけませんよ。

行動分析に基づいた子どもの問題行動プログラム
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ハートボイスプロジェクト

2016年1月17日

学校

広島で行動理論に基づき
子どもをあたたかく育てるコツをお伝えしている
ハートボイスプロジェクトの中谷美佐子です。

さて、発達障害の子どもに無理をさせたら、
彼らはたいてい高学年あたりから二次障害となり
不登校になってしまうことはご存知の方も多いと思います。

不登校になると非常に予後が悪く、
何らかの依存症に苦しむこともあり、
社会に出ていくのが困難になってしまう可能性もあります。

子ども達に「無理をさせない」というのは
怠けさせるとという意味ではなく、
スモールステップでその子の障害特性や発達に合わせて
チャレンジさせていくという意味です。

そして、彼らの得意なことをとことん伸ばしていけるよう
そこを褒めてやることによって、
彼らの苦手な部分が気にならなくなるという意味でもあるのです。

しかし、学校現場では、こういった視点がないまま
子ども達のできないことを見つけて叱り、
できていることは言葉にしない
(褒めもしなければ注目さえもしない)
関わりを続けていることが多いのです。

そのため、発達障害の子ども達は
得意なところを褒められるのではなく、
苦手な部分ばかり指摘されて日々を過ごすため、
いつしか不適切な言動などを
(周りの大人達から)強化されていくことになります。

行動理論に基づけば、
褒めることも、叱ることも、
子どもに指摘すればするほど、
子どものその行動は強化されてしまうことを
知っておきましょう。

では、ここからは保護者対応についてお伝えします。

特に、発達障害の子どもを育てている保護者は
いたるところで自分の子どものことについて話をせねばならず、
その度に嫌な経験を繰り返してきています。

「また何か強く指導されるのではないか?」

「またお母さんのせいで子どもがこうなったと言われるのではないか?」

「また、ああしなさい、こうしなさいと言われて
振り回されるのだろうか?」といった恐れや不安を持っています。

そのため、防衛本能から攻撃的になることがあります。

その他には相手に何も言わせないように
先にまくしてておく人もいます。

学校が言っている内容が
自分の子どもに合わないやり方だと分かっていても
とりあえず、教師の言うことに従っているお母さん達もいます。

基本的に、今の学校現場では保護者の方が
発達障害特性や対応方法をよく知っている場合が多く、
支援技術も身につけてきていますから、
教師が(主観の入った経験則から)我流で思いつきの対応方法を
保護者へ伝えることは非常に危険なのです。

どうしても保護者へ子どもへの対応方法を伝えたいのであれば
データに基づいた話をすれば安全です。

今年4月から障害者差別解消法が施行されますので、
教師の(エビデンスもデータもない)経験則から
保護者へアドバイスや強い指導を入れて、
その保護者がそれに従い、子どもが大変なことになった場合は
今後は恐らく訴訟となるでしょう。

障害者差別解消法には
『合理的配慮がないのも差別である』と明記されています。

合理的配慮というのは簡単に言ってしまえば
医学や科学で分かっていることくらいは
ちゃんとやりましょうよ!という意味です。

例えば、具体的に言うと、
発達障害の子どもを厳しく叱ることや、
障害特性を度々指摘することや馬鹿にする行為は
子どものセロトニン(幸せホルモンと言われている脳内物質)の低下が起き、
不登校やひきこもり、イライラ、暴力を引き起こすこともあり
絶対やってはならないのです。

しかし、学校現場にいる大人達が
発達障害特性や対応方法を正しく勉強していないため、
子ども達に対して不適切な行為を度重ね、
子ども達を思春期あたりから二次障害(うつ病や反抗挑戦性障害など)に
させてしまっていることに気づいていません。

そこで、保護者に対応する際は、
まずは子どもの良い面や頑張っているところを
保護者には伝えて欲しいのです。
そして、保護者と一緒に子どもの成長を喜ぶことが大切です。

それは教師が保護者に子どものマイナス面を伝えたとき、
たいていの親は自分の子どもの苦手なところに注目し始めるからです。

そうすると、保護者は担任から子どものマイナス面を伝えられる度、
子どもを否定的な視点で見るようになってしまい、
つい子どもの障害特性を叱ってしまうようになります。

障害特性を叱られた子どもの脳は
セロトニンの低下が起こりますから、
当然、自己肯定感が下がり、荒れていきます。

子どもを叱っても子どもの苦手なところは改善されませんから、
苦手な面の背景を探り、具体的な支援が必要なのです。

発達障害は心の問題ではなく、
発達の遅れから感覚過敏が残っていたり、
物事の捉え方や受け止め方が多数派とは違っていたり、
低緊張でずっと椅子に座っていることに困難さがあったり、
広範囲に渡って様々な発達課題があるわけで、

今の日本の教育は多様性が認められにくい環境にあるため
(平均的な発達をしている子ども達を中心に考えているため)
通常学級にいる発達障害の子ども達には具体的な支援が必要になるのです。

そして、子どもに問題行動があり、
発達障害をよく理解できている保護者には
事実をありのままに(主観なく)伝えるのみがいいでしょう。

発達障害やインクルーシブ教育を勉強していない教師の場合は
保護者への「傾聴」を心がけるといいと思います。

ここで問題なのが、教師・保護者共に
発達障害についてよく分かっていない場合です。
大変なことになってしまう前に専門家の力をかりましょう。

発達障害について長年勉強してきている教師であれば
対応方法のアドバイスもできるのですが、
一度か二度、テレビで発達障害番組を見たことがあるくらいでしたら、
決して保護者にアドバイス等はしてはいけません。

それは、誤った視点から、学校と家庭の両方から、
子どもが障害特性を叱られることが多いからです。

障害特性を叱り続けるとどうなるか?
先程も申しましたようにセロトニンの低下が起こりますから
うつ病になってしまいます。

そうすると、子ども達は不登校になります。
不登校になった子どもの予後が悪いといったデータが出ていますから
どうか、先生方、(不確かな)経験則から
保護者への強い指導は入れないようにお願いいたします。

経験則というのは、たいてい主観が入っていますから当てにならなく、
不適切な対応方法を保護者に伝えることになるため、
親子関係が崩れたり、家族がうまくいかなくなることが多いのです。

先生方には何を伝えるにも
精神論ではなくデータをもとに話して頂けますと助かります。

どうか、今後は発達障害の子どもの保護者には
子どもの良い面や頑張っているところのみを
まずは具体的に伝えることを心がけてください。

子どもを褒めると子どもの行動への捉え方が肯定的になるため、
教師の精神衛生にもとても良いのですよ。

子どもの良いところを見る習慣があり、
子どもをよく褒める教師は精神疾患等にかかる率が低いとも言われています。

その反対に、子どものマイナス面に注目し、
叱責して子どもを何とかしようとする教師には、
うつ病になる確率が非常に高いといったデータが出ています。

こういったことも踏まえて、
子ども達のマイナス面に目を向けて何とかしようとするのではなく、
子ども達の良い面や頑張っているところを見つけて、
そこを褒めて強化していくやり方を
学校全体でやっていかなければならない時代がきています。

それだけで子ども達は十分育ちますからよろしくお願いします。

行動分析に基づいた子どもの問題行動プログラム、残り2席です。
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ハートボイスプロジェクト
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こちらの本は視点や思考を「前向きに」できるのでお勧めです↓

2016年1月12日

メディア

FMちゅーピー内

広島で行動理論に基づき
子どもをあたたかく育てるコツをお伝えしている
ハートボイスプロジェクトの中谷美佐子です。

先程、毎月第二火曜日に放送されている
FMちゅーピーすまいるパフェ
MISAKO先生のVIVA!発達凸凹~s!でしゃべっていました。

本日お話した内容は
「子どもは寝なきゃ育たないよ~」といったお話でした。

お話した内容を簡単にまとめると↓

子ども達は学校で「早寝、早起き、朝ごはん」と
いつも言われているけれど、、、
この意味を本当に知っていますか?
といったところからお話してみました。

実は、昔のように日が暮れたら寝る、
日が昇ったら起きるといった生活が
高次脳機能(知覚、記憶、学習、思考、判断などの認知過程と
行為の感情を含めた精神機能)を
発達させることができるのですね。

だから、人は寝ないとダメなんです。
寝ないと何にもうまくいかなくなるのですよといったお話。

でも、寝りゃ~いいってものじゃなくて、
夜、良い睡眠をとることが大切で、
夜寝なきゃ意味がないのです。

だけど、私達の今の生活は
夜中、そこらじゅうが明るく照らされていて
深夜のコンビニやレストランに
子ども達が大人と一緒にいたりするわけです。

調査によると日本の子ども達が一番寝ていないそうです。

こんな危険なことをしていたら
いくら発達障害の子ども達の適切な支援方法を
学んだとしても、役に立たなくなってしまう。

だから、支援をする前に、基本的な生活習慣だけは
身につけられるよう私達大人が子ども達を守りましょうよ
といったお話をいたしました。

大切なことは、とにかく夜は早く寝るということです。

じゃ、夜よい睡眠をとるためにはどうしたらいいか?ですが、
寝る前には、ICT機器(スマホやパソコン等)を使わないようにすることです。

夜、目からライトの光をガッツリ入れてしまうと
人の脳は眠れなくなってしまうのですね。

また、お風呂も寝る2時間くらい前までには入っておいた方がいいと
兵庫の「子どもの睡眠と発達支医療センター」の中井昭夫先生は
先週日曜日に開催した学習・発達支援員養成講座でお話されていましたよ。

人は体温が下がってきて眠りに入りやすくなるため、
お風呂からあがってすぐは眠りにはつきにくいようです。

また、セロトニン(脳内物質)が活性化していないと
やはり、良い睡眠はできないので、
セロトニンを活性化させることが大切なのです。

セロトニンを活性化させる方法は
早く寝て、早く起きて、朝ごはんを食べて
朝日を浴びながらウォーキング等のリズム運動をするとよいそうですよ。

また、子どもを褒めることも大切です。
褒めるとセロトニンが活性化しますが、
子どもを叱ったりけなしたりしていると
セロトニン低下が起きますから、
うつ病になりやすくなります。

取材をしていると
小児性のうつ病になっている子ども達の多さには
驚きます。

不登校になっている子ども達は
親の育て方が悪いと思っている人がまれにいますが、
実は、うつ病になっていたり睡眠障害になっていることも多いのです。

規則正しい生活習慣と子どもを褒めることは
子ども達をうつ病や睡眠障害にさせないためにも
とても大切なことなのですね。

セロトニンが足りないとどうなるか?ですが、
気分が沈みやすい、怒りっぽくなる、イライラする、
やる気がなくなる、集中力や注意力・学習能力が低下する、
寝付けない、途中で起きる、早朝に目がさめてしまう、
寝過ぎ、顔に覇気がなく姿勢が悪くなる、
痛みを感じやすくなるそうです。

子どものうつ病の特徴は、泣いてばかりでなくて
学習意欲が低下したり、イライラして親に当たり散らす、
荒れた行動が出てくるそうなのですが、
私達はこういったことをあまり知らないために
親の育て方のせいにしていますね。

そうではなくて、セロトニンという脳内物質についての
視点があると、生活環境を改めることができるので
とてもいいですよ。

とまあ、こんなお話をいたしました。

ちょっとピンボケになってしまった写真だけれど
真ん中が石田ディレクターで左が水田アナです。

行動分析に基づいた子どもの問題解決プログラム

【保護者のための】子どもをあたたかく育てるコツ講座
4月15日から第3期を開講します。残り2席となりました↓
ハートボイスプロジェクト

2016年1月3日

人生・心

お正月飾り

あけましておめでとうございます。
広島で行動理論に基づいた子育てのコツをお伝えしている
ハートボイスプロジェクトの中谷美佐子です。

今年のお正月は夫の実家に、
弟と妹一家全員集まって合計13人、
ワイワイガヤガヤ、お酒や食事を楽しみました。

義母は今月80歳になりますから
あまり無理をさせてはいけないと思いながらも、
どう見ても60代にしか見えず、すこぶる元気なので、
すっかり義母の年齢を忘れてしまっていたお正月でした。

おせち

このお節も全部、義母の手作りです。
驚くほどパワーのある人なのですよ。
私も今年あたりからボチボチ義母から
エネルギーのお福分けをして頂こうと思っている次第です。

さて、冬休み中、子ども達はすることがなくなると
ゲームをするといった習慣がつきやすいのではないかと思います。

特にインターネットゲームは依存症になりやすく
脳や身体の発達に大きな影響を及ぼしますので
親は子ども達のゲームの時間管理を
しっかりしておかなければならないと思います。

インターネット依存症についてはこちらを参考にしてください↓
独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター
ネット依存のスクリーニングテスト

それでは、本年も、今を生きる子ども達が
「生きるって素晴らしい」と思える日々が送れるよう、
そして、子ども達を支える大人も一緒に
「人生って素晴らしい!」と言えるよう、
行動理論に基づいた子ども達との関わり方について
お伝えしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

保護者のための子どもをあたたかく育てるコツ講座は
こちらをよく読んでからお申込頂ければと思います。
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『第3期』保護者のための子どもをあたたかく育てるコツ講座
2016年4月15日(金)スタート!