ハートボイスプロジェクト

ハートボイスプロジェクトブログ

2016年2月27日

人生・心

春の花

広島で応用行動分析に基づき
ASDやADHD、LDのある子ども達への対応方法をお伝えしている
ハートボイスプロジェクトの中谷美佐子です。

今日は、さらさら流していくと
とっても楽に生きられるというお話を書いてみようと思います。

私達は日々、自分の感情に振り回されているようです。

私がおつきあいしている子ども達や保護者、支援者、教師など
みんな、大なり小なり常に感情が動いていることを感じます。

もちろん、私も
「おっと!この感情に飲み込まれてはいけないな!」と
思うことも、しばしばです。

発達障害のある子ども達にとって
自分の感情ほど難しいものはないようで、
「感情って何?どんなもの?」とか
「自分に今、どんな感情があるのかが分からない」
「感情が何か分からない」と言う子ども達も多いです。

「そんなもの(感情)があるなんて知らなかった」という子もいます。

だから、私は子ども達には
絵カードを使って『感情』について教えることが多いです。

でも、一般の人達だって
少なからず自分の本当の感情には気づきにくいと思います。
【注意】発達障害のある子ども達が感情に気づきにくいというのは
一般の人達の程度とは大きく違います。

こんなことをおっしゃった
ADHDのお子さんを育てているお母様がいました。

「なんだか、ここのところずっと苦しいな~と思っていたんですけど
その原因が分かりました。苦しいんじゃなくて、悲しかったのです。
いや、怒りかもしれません。
いくら学校に娘の特性を伝えても伝えても、娘のことを理解してもらえなくて
普通の子ですよと言われてしまう。
お母さんがしっかりすれば、この子はちゃんと育ちますよと言われてしまう。
私は娘が普通かどうかは問題じゃなくて、
人はみんな違うから、同じようにはいかないということが伝えたかったんです。
でも、普通がいいと思っている人達が多すぎることに気づいて
落胆というか、、、悲しみというか、、、今は怒りに変わってきています」

このお母様のお気持ち、このブログを読んでいる方であれば
痛いほど分かりますね。

そう、人はみんな違う、同じようにできることを望んではいけないのですね。
そして、湧き起ってくる感情だってみんな違うのですから
感覚の違う人達に「どうして、喜ばないんだ!」とか
「今は悲しむところでしょ!」なんて怒ってもしかたないのですね。

『悲しみ』という感情をずっと持っていると
いつしか『妬み』や『復讐心』に変わってしまうことがあります。

「うれしい」とか「やったー!」といった『歓喜』の感情を持ち続けると
『優越感』に変わっていくこともありますね。

そして、とっても厄介者とされている『怒り』ですが、
この感情を持ち続けるとどうなると思いますか?
他者を傷つけたくなるかもしれません。

ただ、『怒り』はうまく使うと社会をより良く変えていく
原動力となることもありますから上手に使えるといいのですが、、、

こうやってみると、
一つの感情をずっと持ち続けると
(自分の感情をうまく取り扱うことができないと)
とても厄介なことになることに気づきます。

だから、川が流れていくように
さらさらと感情も流していく方がいいのです。

川のよどんだ部分にずっといると
いつまでたっても、よどんだままですね。

そう!さらさらと流していくのです。
そうやって、自分を楽にして生きていきましょう!

そんな感情のこともお話ししている講座がこの4月から始まります。
発達障害の子ども達の特性理解や感覚統合等についても
お伝えしています。

少人数で徹底的に応用行動分析について学んでみたい方、
自分自身の考え方を修正したい方、
まずは自分の子どもへの見方を変えてあたたかい関わりをしたい方は
こちらをご覧ください↓
ハートボイスプロジェクト「保護者のための子どもをあたたかく育てるコツ講座」

2016年2月9日

メディア

FMちゅーピー

広島で行動理論に基づき子育てのコツをお伝えしている
ハートボイスプロジェクトの中谷美佐子です。

さて、今日は毎月第2火曜日午後4時から放送の
FMちゅーピーすまいるパフェ
MISAKO先生のVIVA!発達凸凹~s!の日でした。

本日は「教室の中の支援」について
20分程度お話したのですが、、、
20分ではほんのちょっとしかお伝えできなく
本の紹介もしようと思いながらも
それもできないまま番組終了~!(笑)

それでも、ちょっとづつ伝えていくだけでも
いつか必ず多様性が認められる社会になると信じて
コツコツと、そして、ボチボチでも、
伝わっていけばいいかな~と思いながら、
約3年、ラジオでしゃべっています。

さて、今日は、
教室の中で【困った子】と思われている子ども達は
実は【困っている子】なんですよ~というお話でした。

例えば、、、
授業中、おしゃべりが止まらない子がいますね。
こういった子どもは口の多動があって
周りだけでなく、本人も困っています。

そして、いつも「静かにしなさい」と叱られてばかりで
いつしゃべっていいのか?いつお口をチャックすればいいのか?を
うまく理解できていないこともあり、褒められる経験が非常に少ないのです。

だから、今はお口をチャックする時間ですよ。
今はしゃべってもいい時間ですよと明確に知らせてやり、
お口をチャック出来ているときにしっかり褒めてやるといいですよ。

そうすると、本人もどういった時に
お口をチャックすればいいのかを覚えていけますし、
何より褒められた経験を積んでいくことができますから
先生のお話を聞かないといけないときは
お口をチャックするという良い行動が身についていくのですね。

また、学校では箒を振り回している子をよく見かけると思うのですが、
この子達の背景を探ってみると
固有覚が鈍麻であることが多いのです。

固有覚というのは筋肉や骨にぐっと力が入った時に感じる感覚のことです。

この固有覚が鈍麻であると、
筋肉や骨に圧を入れたがりますから、
箒を振り回していることが多いように思います。

だから、箒は掃くもので、
安全な場所で振り回していいものを教えてやると
子ども達は箒を振り回さなくなります。

例えば、野球をする時にバットを振りますね。
これは野球をする場所であれば問題ありませんから
素振りの練習をしっかりやってもらうというのもいいです。

運動場でテニスラケットを振るのもいいですね。

大人であれば、重いゴルフクラブをブルンブルン振ると
すっきりすると思います。
バッティングセンターも良さそうです。

隣の席の子の消しゴムや鉛筆を断りなく使う子をよく見かけますが
こういった場合は、ただ「いけません」と叱るだけでは
子ども達は自己肯定感を下げてしまうだけになりますので、
まずは背景を探ってみるようにしましょう。

ひょっとして、この子は自分の物と他人の物の弁別が難しいのかな?
もしかして、この子は人に物をかりるときに使う言葉を知らないのかな?
等と探っていけば、おのずと対応の仕方は見えてきます。

弁別が難しいのであれば
自分の物には全て名前を書くとか
色のシールを貼っておけば分かりやすいですね。

弁別は出来ているけれど
人の物を貸して欲しいけれど黙って使ってしまうのであれば
「これ、貸してくれる?」という断り方を教えてあげればいいです。

そして、他人の物を使ったあとは
必ず「ありがとう」を言うことを練習しておけばいいですよ。

もう一つ、給食の時間が辛いお子さんがいます。
ASDのお子さんに多いのですが
嗅覚過敏や触覚過敏、味覚に異常などがあり
どうやっても食べられないものがたくさんあるのです。

しかし、好きな物だったりすると
とてもよく食べるので、我がままに見えてしまうのですが、
実際には本当に苦しんで給食を食べている子ども達が多いのです。

小学校の頃、強い給食指導を受けたお子さんが
中学にあがってから自傷行為が始まった子や、

教室で、飲めなかった牛乳を
毎日飲まされていた記憶が蘇った瞬間、
食べたものを一気にもどしてしまった高校生に
私は出会ったことがありますから、
彼らに我がままだと言って食べられないものを
無理矢理、時間をかけて食べさせたり飲ませたりするのは
非常に危険な行為であると
私達大人は認識する必要があると思います。

この他にも、教室を立ち歩く子ども達の背景と対応方法や
すぐに怒ってしまう理由や支援方法についても
お話しようと思っていたのですが、、、
時間がなくなってしまったため、
また今度お話しようと思います。

そして、今日紹介したかった本はこちらです↓

こちらの本は保育園や教育の現場から寄せられた
成功した対応策が2800紹介されています。
その子その子に合わせた手立てを見つけることができると思います。
本の表紙をクリックすると詳細を見ることができるようにしていますので
リンク先で確認してみてくださいね。

次回は3月8日(火)午後4時からの放送です。
本日、教室の中の支援について十分お話できなかったので、
続きをしゃべろうかな?と思っています。

この4月から障害者差別解消法が施行されますから
教室の中での合理的配慮は必須となります。
だから、続けて教室での配慮についてお話していかないといけませんね。

子どもの問題行動解決プログラム(応用行動分析に基づいた子育てのコツ)を
少人数(2~4人)で学びたい方はこちらです↓
ハートボイスプロジェクト 保護者のための子どもをあたたかく育てるコツ講座