ハートボイスプロジェクト

ハートボイスプロジェクトブログ

2015年8月31日

子育て

行動理論に基づき、子育てのコツをお伝えしている
特別支援教育ジャーナリストの中谷美佐子です。

さて、保育士さんや学校の先生達が困っていることの一つに
「お母さんが子供のことに気づかない」という問題があります。

確かに、親は自分の子どもが普通であって欲しいと
のぞんでいることが多く、少しでも他の子と比べて
遅れがあるなどと思いたくないといった気持ちがあるものです。

しかし、母親も子どもと共に成長していき
次第に「人はみんな違って当たり前」で
「発達の仕方も、それぞれ」ということを理解していくわけですが、
それをすぐには理解できないのが人間なのです。

でも、常にいろんな子ども達を見ている
保育士さんだとか学校の先生達は
お医者さんではないけれど、感が良くて
なんとなくではあっても気づくのです。

「この子の得意や不得意を正確に知りたいな~。
この子のために何をしたらいいかを明確にしたいな~。
具体的に分かったら、この子が将来、大人になった時
困らないようにしてあげられるのに、、、」と思うのです。

でも、お母さん達は子どもを産んで、まだ数年しか経っていませんから、
それも、自分が生んだ子どもと親戚の子どもの数くらいしか
子どもの発達過程を見たことがないことが多いのです。

子どもの発達について
特別に勉強したことがある人はほとんどいないのが現状です。

そうすると、、、
「なんだか、うちの子、育てにくいな~」
「しんどいな~」
「どうしていいか?分からないな~」と
思っていても、、、

それが、まさか発達障害に結びつくとは
思ってもみませんし、
発達障害という言葉すら知らないのが常です。

また、たいていの親が自分の子どもには
障害がない方がいいといった「思い込み」がありますから、
発達障害などといった言葉を聞いただけで
地獄の底に落とされたような気持ちになる人もいるのです。

だから、子ども達に関わる仕事をしている人達にはお願いがあります。
お母さん達に伝えるときは、まずはお子さんたちの良い面を
伝えてあげて欲しいのです。

そして、苦手な面や困難さは工夫をすれば大丈夫!
今はict機器だって使える、
コミュニケーションが難しくたって
ロボットが代わりに話してくれる時代にもなってきている、
人も助けてくれる!と感じられるような
言葉がけにつとめてもらえるといいんだけどな~。

そこから、その子の困難さをみんなで支えて
私達はお母さんと一緒に、
お子さんが生きやすくなるようにしていきたいのだということを
理解してもらえるように、、、

そして、
「この子を育てるのはお母さんだけじゃなくて
私達がいつも一緒ですから安心してください。
大丈夫です」

って、伝えて欲しいのです。

そうしたら、お母さんだって安心して
少しずつ、自分の子どものユニークさを
受けとめられるようになっていきます。

時間はかかっても、必ず、お母さんも子どもと一緒に
成長していくんですね。

お母さんの周りにいる大人たちは
じっくり時間をかけてお母さん達の支えになって頂けると
いいな~といつも思っています。

お母さん達には、子育ての不安がいっぱいあります。
お母さん達は支えを必要としています。
その支えがないと、穏やかな子育てはなかなか難しいのです。

子育てと言うのは、お母さん一人で頑張るのではなくて
みんなでお母さんを支えて、
お母さんがよりよい子育てができるように
私達みんなで応援することだと思っています。

もっと、もっと、たくさんの人達が
お母さん達の気持ちに寄り添ってくださると
うれしいです。

こちらのお母さんのブログを読んでみてください。
お母さんの気持ちがとてもよく分かります↓
camellia☆本来の自分を知ることで、毎日HAPPYになるお手伝い☆
療育センターへ行くとことに悩まなかったのは?

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2015年8月29日

発達障害

行動理論に基づき、子育てのコツをお伝えしている
特別支援教育ジャーナリストの中谷美佐子です。

どうも、今でも、、、この時代に!
発達障害の子どもを育てる親達に向って
「親の育て方が悪いから、子どもが発達障害になった」と言う
おじいちゃんやおばあちゃんが多いようですね。

いまだに
「うちにはそんな子は今まで生まれたことがない」と言って
お母さんの家系がとやかく言われるとか。

お孫さんには、
おじいちゃんの遺伝子が4分の1、
おばあちゃんの遺伝子も4分の1、
入っているんですけどね。

これだけ医学が進歩しても、
発達障害について
ちっとも正しく理解が進んでいなかない。
困ったものです。

これまでもずっと言っていますが
親の育て方のせいで
子どもが発達障害になったりはしませんよ。

ただ、言えることは適切な対応をして育てる環境があれば
(理解とサポートがあれば)発達障害は個性になります。

だから、その子らしさを大切に
育てればいいだけのことなのですが、、、
そこがうまく理解されていない現状があるようです。

発達障害には自閉症スペクトラム、
ADHD、LDなどありますが、
その子が持つ特性によって
対応の仕方は違ってきますので、
自閉症スペクトラムの子どもに
ADHDへの対応をしても
なかなかうまくいかないことも多いはずです。

発達障害の子どもを育てる場合は、
まずは自閉症スペクトラムについて勉強して、
それからADHDやLDについてもしっかり勉強して、
適切な対応の仕方を学んだとき
その子に合わせた関わり方が分かってきて
工夫も上手になって、
子育てが楽しくなってくるのだと思います。

そうすると、、、
正確な診断が必要になってきますね。

そう!診断というのは
レッテル張りでも何でもないのです。

その子の得意・不得意を知って
その子の良さを引き出し、
周りの人達がその子の苦手な部分を
支えられるようになるためのものなのですね。

こちらを参考にしてみてください↓
生き辛い・死にたい。知ってほしい「発達障害」を抱える人の苦労
発達障害を知っていますか?

2015年8月26日

子育て

行動理論に基づき、子育てのコツをお伝えしている
特別支援教育ジャーナリストの中谷美佐子です。

子どもの才能を伸ばそうと
無理矢理、お稽古事に行かせていませんか?

また、子どもを勉強できる子にしようと
叱って、無理矢理、宿題をさせていませんか?

学校でも家庭でも、
恐怖心を与えられながら
頑張らされている子ども達がいます。

この子達は本当に才能が開花すると思いますか?

ある程度のところまではいくかもしれないけれど、
途中で嫌になってしまって、
躓づいているお子さんが多いですね。

脳は、楽しいとき、喜んでいるときしか
反応して(学んで)くれないようにできていますから、
叱ったり、怒ったりしながら
子ども達に無理矢理やらせると
脳が喜ばないので、
せっかくの才能が伸びにくくなってしまうのです。

一般的に、天才だと言われている人達が
どのような指導を受けて育ってきたかをご存知ですか?

たいていの天才と言われている人達は
あたたかい指導を受けてきていることが多いです。

心療内科医のゆうきゆう先生が
マンガで分かるようにしてくださっています。
参考にしてください↓
子供をどの教師につけると、もっとも音楽家として成功すると思いますか?

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2015年8月24日

二次障害

発達障害

行動理論に基づき、子育てのコツをお伝えしている
特別支援教育ジャーナリストの中谷美佐子です。

取材をしていると、こんなお話をよく聞きます。
代表的なものを以下にまとめてみます。

「小学4年生頃から、私のことを、クソババアと呼ぶようになって
殴る・蹴るの暴力をふるうようになりました」

「小学6年生あたりから、家の中をめちゃくちゃにして
物を壊すようになりました。もう家庭は崩壊しています」

「小学3年生のときに、いじめにあって、それから不登校になり、
現在、18歳ですが、仕事をする気がなく家でビデオばかり見ています」

「中学生になってから、学校へ行くと腹痛や頭痛が出るようになって、
早退して帰宅してからも激しい痛みに狂い続けていました。
どこの病院に連れて行っても異常なしで、対処のしようがなく
しばらく、毎日、精神安定剤を飲んで家で寝ていました。
ようやく学校に行けるようになったら
今度はいじめにあって、今では毎日「死んでやる~」と叫んでいます」

「小学5年生から不登校、そのまま、ひきこもりになって、
18歳くらいからバイトに行くようになったのですが、
どうも人間関係がうまくいかないようで、バイトを転々としています」

「小学校の高学年ごろから、学校の先生が悪い、
親が悪い、周りにいるやつらは皆おかしいやつらばかりだと言うようになりました。
私(母親)が何を言っても、おまえが言っている意味が分からん、
もっと分かりやすくしゃべれ!と怒ります。
白か黒かはっきりしろ!白でも黒でもないようないい加減な話はするな!と
怒り狂います。私の育て方が悪かったのでしょうか?」

皆さん、とっても困っていらっしゃるということは本当によく分かります。

本人も家族も何が原因で家族がこんなにも苦しくなってしまったのかが
分からないのですね。

実は、この苦しみの原点は
本人も家族も学校も地域社会も
発達障害への特性理解がなかったということだろうと
私は思っています。

その理解がなかったために、
本人に普通に(多数の人達のように)なるように
強要してしまったということです。

人はみんな感じ方や受け止め方が違うということを
互いに認めてこなかったというか、、、
どういった部分が互いに違うのかを
具体的に誰もが知らなかった、、、ということでしょう。

今からでも遅くありませんから
発達障害について勉強していけばいいのですよ。

そのためには、まずは「障害」に対する考え方を
「違い」として捉えることから始めることをおススメします。

そうしないと、「自分の子どもに障害があるのは嫌だ」となってしまうでしょ!?

何度も言いますけれど、
「障害」はその人の中にあるのではなく
人と人との間に「違いを認め合うことができない障害=障壁」があるのですよ。

勉強して、発達障害への特性理解がすすめば
互いにやさしくなれると思います。

人は相手を普通だと思っているから
(自分と同じだと思っているから)
怒りやイライラが出てきて、
ぶっちぎれてしまったりするのです。

自分がぶっちぎれたときは
「あれ?今、私が怒っているのは、ひょっとすると
発達障害について理解できていないのかも!?」
と思うようにするといいかもしれませんね。

そうすると、怒りがスーッとなくなるかもしれませんよ。

発達障害のある人達は広範囲に渡って
不具合や困難さがあり、本当に苦しんでいますから
まずは、私達が彼らの苦しみを理解することで
穏やかな生活が始まっていきます。

では、発達障害の人達はなぜ暴れるのか?
なぜ自暴自棄になってしまうのか?を理解するために
当事者のブログを読んで、まずは彼らの気持ちを理解していきましょう↓
「発達障害な僕たちから」

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子育てが一段落した保護者の方々、ぜひ、ご参加ください。
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2015年8月20日

発達障害

周りも本人も気づいていなくて
おそらく自閉スペクトラム症の特性を
たくさん持っているのだろうと思われる人に出会うと、
たいていの人が「どうして?」「何でそんなことをするの?」と、
疑問と同時に、怒りのような感情が出てくるようです。

それは、「○○はこうするもの」「○○はこうでなければならない」
「こうするのが当たり前」等、多数派がつくった社会での規範があるからです。

近年、多数派の人達の脳の働き方と
自閉スペクトラム症の人達の脳の働きが随分、違うということが分かってきています。

そうすると、分かりますよね?
多数派が当たり前だと思っていることが
少数派の自閉スペクトラム症の人達が考える当たり前が違うということ。

ここで、両者の間で問題が起きるわけです。
「なんで、そんなことをするんだ!」
「どうして、理解できないんだ!」と
両者ともに相手に自分のことを理解してほしいといった気持ちから
攻め合うようになります。

こういった理解し合えない状態が続くと
人間関係が大きく崩れていきます。

人間関係の悩みのほとんどが
おそらく脳の働き方の違いから来ているのだろうと
私は思っています。

じゃ、どうするか?
「自分の当たり前を、他者も同じように当たり前だと思わない」
ということを知っておくといいです。

そして、相手に自分の気持ちを察して欲しいなどとは望まず、
具体的に「私はこうして欲しいのです」と伝えればいいわけです。

ただ、ここで注意することがあります。
それは、人それぞれ持っている困難さが違うので
相手の困難さを無視した形で「こうして欲しい」と望むことはできないのです。

例えば、脳機能障害から場の空気が読めない人や
察することができない人に「空気を読め」とか
「察してほしい」とは言えないのです。

ディスレクシア(読み書き困難)のある人に
「間違わずに読みなさい」とか「きれいに正しく字を書きなさい」
というのも、おかしな話なのです。

つまり、まずは誰もが多かれ少なかれ持っている
発達障害への特性理解が大前提なのです。

そして、曖昧な表現を避けて、直接的に伝え合わなければ、
自閉スペクトラム症の特性を多く持つ人との関係は
うまくいかないと思っておいた方がいいでしょう。

つまり、脳の働き方がとにかく違うのですから
「そんなストレートにものは言えない」
「あまりに具体的に詳細に伝えていたら
相手を馬鹿にしているように思われるのではないか?」と思っている間は
とにかく自閉スペクトラム症の特性を多く持っている人たちには
伝わらないんだと肝に銘じておくと
案外すんなり理解してもらえることが多いのですよ。

自閉スペクトラム症といっても、みんな違いますから
研究結果がすべて当たっているとは言い切れませんが、
こういった報告もありますので参考までにリンクしておきます↓
マイナビニュース[2014.7.10]
自閉症はなぜ自分の動作を真似されたことを気づくのが苦手なのか

広島初の学習・発達支援員養成講座スタートを記念して
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