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2017年6月13日

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FMちゅーピースタジオ内。左にいるのは水田アナ、パソコン見ながらしゃべっています。真ん中の奥にいるのはチーフディレクターの石田さん。右側で半分顔が切れているのが私です。

こんにちは。行動理論に基づいて子育てのコツをお伝えしている
ハートボイスプロジェクトの中谷美佐子です。

さて、今日はFMちゅーピーでしゃべっておりました。
内容は「学校で困っている子の見つけ方」です。
以下に話した内容を書いておきますので参考にしてください。

一般的に授業妨害などする子どもは
たいてい「とんでもなく困った子ども」と見ている人が多いのですが、
実際には「とんでもなく困り続けている子ども」という
見方をした方がいいのですよ。

特に目立って困った子どもというのは
支援の対象と考えておく必要があるんです。

でも、たいてい「本人のわがまま」のせいにされていたり
保護者の関わり方が悪いんじゃないかと言われていたりしますが
実はそうではないのです。

「めっちゃ悪い」んじゃなくて、躾がなっていないんじゃなくて、
そうせざるを得ない理由があるということなんです。

例えばですね、A君という小学3年生の子がいました。
担任の先生がA君は国語の授業になったら
クラスメートの邪魔をする、叫んで教室を走り回ると言います。

それで、この担任の先生に国語の授業のどういった時に
A君は教室を走り回ったり、クラスメートの邪魔をするのかを
観察してもらいました。

そうすると、担任の先生の観察で分かったことは
A君は国語の授業でも音読の時間になると騒ぐということだったんですね。

ということは、A君は音読に何かしら困難さがあるのかもしれないと思って
アセスメントしたところ、縦の眼球運動がうまくいかず、
国語の教科書がうまく読めなかったんです。

検査の結果ではA君は横書きの文章は何とか読めたのですが
国語の教科書のような縦書きの文章は
眼球が上下にうまく動かせないために
手で教科書を上下に動かさないと読めなかったわけです。

でも、教科書を上下に動かすと先生から
「教科書を動かさずにしっかり持ちなさい」と怒られますから
どうやっても読めないわけです。

それで、音読が辛いのでクラスメートの邪魔をしたり
教室を走り回って授業の妨害をしていたわけです。

当然、担任の先生はA君を怒って廊下に立たせたりしますから
A君は辛い音読しなくて済むようになるわけです。

騒げばA君は嫌なことを避けることができますね。
授業中騒いだり、クラスメートの邪魔をする子は悪い子どもだと
誰もが思っていますが、まさかそんな背景や理由があるなんて
思いつきもしませんから、やはり「悪い子」とレッテルを
誰でも貼ってしまうわけです。

だから、私は目立って困った子どもは、実は困っている子どもで
支援の対象になりますよとお伝えしています。

先程のA君ですが、音読の時間に騒いでいた理由が分かってからは
眼球が上下にスムーズに動くようにビジョントレーニングをしたり
教科書にカラーフィルムを載せると読みやすくなるということが分かって
こういった学習支援をしてもらえるようになってからは
まったく教室で騒がなくなりましたので、
とんでもなく困った子どもと言われている子ども達が
いかに学習支援が必要かということが分かりますね。

A君の話はほんの1例で、「この子はどうにもならない」と思われている
子ども達というのは、たいてい多くの困難さをもって教室にいるのだと
いうことを知っておいて頂きたいと思います。

何の問題もなく教室にいられるのだったら
大人しく授業を聞いているわけですから。

だから、この子達を怒ってもしかたないわけで
支援が必要な子ども達だということを
私達大人が理解して合理的配慮のある教室を
作っていかないといけないということなのです。

子ども達の困り感に私達大人が気づかず
適切な対応や配慮をしないと、
子ども達は頑張ってもできない、上手くいかないといった
失敗体験や叱責された記憶だけが蓄積していって
ますます自尊感情を低下させることになってしまいます。

自尊感情が低下すると意欲の低下が起こりますので
やる気のない子どもになってしまうんですね。

また、発達障害のある子ども達で学習に困難さがある場合
学習支援をしないと二次障害となってしまいます。
二次障害というのは本来もっていなかった障害で
環境によって障害になってしまうというものです。

例えば、障害特性に対して私達大人が怠けていると誤解して
叱責を繰り返していると人格障害の1つで
反抗挑戦性障害になってしまったケースも多くあります。
やる気がないと大人から勘違いされて
ずっと怒られ続けた子どもがうつ病になっていたこともありました。

こういった元々なかった障害に子ども達をさせないためにも
「とんでもなく困った子ども」というレッテルを貼るのではなく
サポートの必要な子ども達なのだと理解して
学校や家庭で、配慮や学習支援を進めていかなければならないと
私は思っています。

とまあ、こんな感じで喋ってまいりました。
参考にして頂ければ幸いです。

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