ハートボイスプロジェクト

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ネガティブな言葉をポジティブにしてみよう!

2016年11月8日

メディア

子育て

支援・トレーニング

発達障害

ラジオ ペアレントトレーニング

広島で行動理論に基づいた子育てのコツをお伝えしながら
NPOではインクルーシブ教育の普及活動をしている
特別支援教育ジャーナリストの中谷美佐子です。

さて、毎月第2火曜日午後2時~
FMちゅーピー広島すまいるパフェ
MISAKO先生のVIVA!発達凸凹~s!という番組に
私は出演しているのですが、、、

この番組では、早いもので、もう3年も(びっくり!)
発達障害についてしゃべっています。

今日は「ネガティブな言葉をポジティブにすると
子ども達が健やかに育ちますよ~」といったお話をしました。

ざっとお話した内容をまとめると下記のようになります。

学校の中で困っている子ども達や、
発達が気になる子ども達の相談に
私はよくのることがあるのですが、

子ども達も保護者の皆さんも
本当にギリギリのところまで頑張ってきて
いらっしゃるんです。

「もう十分がんばって来ていらっしゃるのだから、
がんばり過ぎるのをやめましょうよ」とお伝えすることがあります。

でも、保護者の皆さんは一所懸命情報を集めて、
勉強して、そして、学校にお伝えしてくださっているのです。
子ども達を助けようと、とにかく頑張っていらっしゃいます。

それは、お母さん達ががんばるしかない社会がある、
現状があると言うことなのです。

そこで、親子が少しでも頑張りすぎなくて済むように
社会全体でネガティブな言葉を
ポジティブに変えていけるといいのでは?と思って、

今日は見方を変えて子ども達の才能を伸ばすことができる
言葉の使い方についてお伝えしてみました。

それで、先日うちの息子がこんなことを言ったのですね。

「俺、結構しつこいよね。っで、しつこいをもっといい言葉に
したいんだけど、、、」と。

うん、それは「粘り強く頑張ることができる」と言えばいいと答えてみたら、
「もうちょっと短いのがいい」と息子が言うので、

「根性がある」でどう?と聞くと、それいいね!と言うことで
我家では「しつこい」という言葉を使いそうになったら
「根性がある」と言葉を置き換えることになったんですね。

つまり、良い響きの言葉に置き換えて
より良い思考にしていこうというものなんですね。

これを心理学用語でリフレーミングと言います。

同じ物事でも、人によって見方や感じ方が異なっているので、
どんなことも見方によって長所にもなるし、
同時に短所にもなるんですね。

うちの息子が「しつこい」を「根性がある」と
言いかえるようになった話と同じで、

例えば、試験で残り時間が10分あった場合、
悲観的に考えた場合は「もう10分しかない」と思いますよね。
でも、これを楽観的に考えた場合は
「まだ10分もある」と思うことができるということなんです。

それで、よく障害特性というか、
発達障害の症状をマイナスに捉える方がいるのですが、
プラスに捉えてもらえるといいな~と私は思っています。

と言うのは、やはり、子ども達は周りの大人が
どういう見方をしているかとか、言葉の使い方で
考え方や捉え方がプラスにもマイナスにも変化していくんですね。

いつも「落ち着きがない」と言われて育てば
本当に落ち着きがなくて、
いつもイライラしている人になってしまいますけど、、、

「落ち着きがない」の見方を変えてみると
「よく気がつく」とか「行動力がある」とか「好奇心旺盛」と
言うこともできます。

ここで、水田アナと一緒に
下記の言葉をポジティブにしてみましたよ。

内気 → 落ち着いた雰囲気、思慮深い、自分の内面をじっくり見つめているタイプ

頑固 → 自分をしっかり持っている、芯が強い、意志を貫く力を持っている

気が弱い → 謙虚な人柄、たくさんの可能性を熟考できる、他人のことを気にかけることが得意、慎重派

協調性がない → 自分をもっている、芯が強い、他人に左右されない

雑 → おおらか、細かいことを気にしない、小さな間違いより大きな本質をとらえるタイプ、

集中力がない → 興味の対象がたくさんある、好奇心が旺盛で行動に素早く移すタイプ、気になることがあふれている

短気(せっかち) → 仕事が早い、行動力がある、

友達が少ない → 親友を厳選する目を持っている、周囲に惑わされない、自分を持っている、自立している、自分を尊重できている、自分一人の時間を大事にしている

無気力 → エネルギー充電中

要領が悪い → 確実な方法を考えるタイプ、じっくり色々な方法を考えながら行動していくタイプ
(参照:もっと素敵に生きるための前向き言葉大辞典)

こうした前向きな言葉に変えてみると
随分、子どもの良いところが見えてきますね。

番組の中では「ネガポ事典」を紹介しました↓

表紙をクリックすると詳細を見ることができますよ。

一人一人がこういった見方を変える努力をしていくことで
随分、先生達も、子ども達も、お母さん達も楽になると思います。

というような内容を今日はラジオでお話しました。

さて、公開講座のご案内です。
12月4日(日)午前10時15分~午後4時30分
午前中は信州大学医学部付属病院の
精神科医師・本田秀夫先生のVTRでの講座です。

発達障害のあるお子さんの幼児期から成人期の関わり方について
お話して頂いています。

成人期がしんどくなってしまわないように
私達大人が知っておく必要のある内容が満載です。

教育や子育てにおいて、
発達障害のある子ども達を二次障害にさせないために、
より良い考え方と対応方法を学ぶことができます。

広島で本田先生のお話を聞く機会はなかなかありませんから、
(VTRでの講座となりますが)ぜひお越しください。

午後13:30~16:30は、
義務教育後の対応、就職してから大切なこと、
学齢期から身につけておきたいことについて
星槎大学の三森睦子先生にお話いただきます。

三森先生は私共と一緒に
学習・発達支援員養成講座を運営している東京本部の先生で、
昨年、広島へお越しくださった際に大人気となられました。
そこで、私は三森先生に無理をお願いして
今年も広島までお越し頂くことになりました。

三森先生のお話を聞いた受講者は
「生きるのが楽になった」「生徒と関わることが楽しくなった」
「子育てが楽になった」とおっしゃいますよ。
そんな素敵な先生にお会いしてみませんか?

会場は中区地域福祉センター5階大会議室で、
10時から開場です。

詳細・お申込はこちらからです↓
NPO法人日本インクルーシブ教育研究所

理解できない?

2016年8月15日

発達障害

葉っぱ ペアレントトレーニング

広島で行動理論に基づき
子育ての楽しさをお伝えしている
特別支援教育ジャーナリストの中谷美佐子です。

さて、私達は発達障害のある人達に
何かを伝えようとしたときに
発達障害の人達がうまく理解できないと、
彼らを「劣っている」と見ていることが
あるように思います。

しかし、彼らは「劣っている」のではないのです。

私達とは違った物事のとらえ方や
受け止め方をしているだけなのです。

だから、彼らに合わせた物事の
とらえ方や受け止め方で伝えれば
ちゃんと伝わるのですね。

それを私達ができるようになるためには
やはり、両者の違いをたくさん勉強しなければなりません。

でも、勉強しなくても理解し合える方法が1つあります。

それは、発達障害の人達の「困難さ」に
目を向けるということじゃないかな?と
私は思っています。

彼らの「困難さ」に目を向ければ、
おのずと伝え方が上手になっていくことを
私は経験してきています。

民間資格【学習・発達支援員養成講座】の無料説明会を開きます。
9月19日(月・祝)14時~です。お申込はこちらからです↓
NPO日本インクルーシブ教育研究所

学校や家庭で活かすことができる
民間資格【学習・発達支援員養成講座】は
10月2日から広島で開始です。
現在、受講者を募集しています。定員35名です。
定員に達した時点で締め切ります↓
第2期LSA(学習・発達支援員)養成講座全9回(2016年10月~2017年6月)

第1期学習・発達支援員のフォロアップ研修を
9月11日(日)に開催します。
この研修は学習・発達支援員になっていない方でも
日本インクルーシブ教育研究所の会員であれば参加できます↓
脳科学に基づいた子どものみかた・応用行動分析に基づいた子どもの褒め方・叱り方

良い行動を増やすための「無視」ってどんなもの?

2016年6月5日

子育て

学校

思春期

支援・トレーニング

発達障害

オーストラリアの植物

広島で発達に偏りのある子ども達の育て方のコツを
ハートボイスプロジェクトでお伝えしている
特別支援教育ジャーナリストの中谷美佐子です。

発達障害のある人達や一般的な子育てでは
なかなかうまくいかない場合、
応用行動分析を使うことがあります。

この応用行動分析には
人の困った行動を減らすのに
「無視」という方法を使います。

「無視」と言っても
いじめ等で使う無視とは全く質的に違います。

「愛を持って見てみぬふり」をするということです。

分かりやすい例で言うと、
おやじギャグを炸裂させる男性に対して、
若い女子達が喜んで?(気を遣って?)笑えば笑う程、
その男性は「みんなが喜んでいる」と思いますから、
おやじギャグを炸裂し続けます。

もし、このおやじギャグを本当になくして欲しいと望んでいるなら、
誰もが「愛を持って見てみぬふり」をすると、
いつしか、この男性はおやじギャグを言わなくなります。

ただ、2か月以上、根気よく「愛を持って見てみぬふり」をしなければ
おやじギャグを言わないという行為は定着しません。

そして、「愛を持って見てみぬふり」だけではいけないんですね。
自分に注目してもらうために、
おやじギャグを飛ばしているわけですから、
おやじギャグがなくなったとしても
別の注目をしてもらうための行為が始まります。

それを回避するために必要なのが、
適切な言動が出たとき、即座に「褒める」ということです。

この適切な行為に対して「褒める」ことが本当に大切です。

この適切な行為に対して「褒めて」強化していくと
子どもでも大人でも、必ずよい言動が増えていきますので
ぜひお試しください♪

こんな技術をとことん身につけたい方は下記の講座です↓
2016秋冬【保護者のための】子どもをあたたかく育てるコツ講座

女子は見過ごされやすい!? Radio on air!

2016年5月11日

メディア

発達障害

FMちゅーピーマスコット

広島で行動理論に基づき、
子育てのコツをお伝えしている
ハートボイスプロジェクトの中谷美佐子です。

さて、昨日は毎月第二火曜日
午後2時05分から放送されている
FMちゅーピーすまいるパフェ
MISAKO先生のVIVA!発達凸凹~S!の日でした。

昨日お話したテーマは
「女子の方が見過ごされやすい!?」

まずはこちらから男女間の差について読んでみて下さい↓
cuta 女子の自閉症は見過ごされる?人数も男子の半分以下で少なく軽いため

研究グループ(上記のリンク先)は
さまざまな要因で女子の診断が遅れている
可能性があると指摘しています。

そこで、女子が見過ごされやすいため
大人になってから困ることが多いというお話をいたしました。

実際に大人になってから自閉スペクトラム症と分かった
女性からお話を伺うと
どの方も、早くから自分が自閉スペクトラム症の特性を
たくさん持っていて、それに対する対応の仕方を
自分で身につけて大人になりたかったとおっしゃいます。

特に、大人しいタイプの自閉スペクトラム症の女性の場合、
学校では勉強もできて、おりこうさんにしていたりすると
何ら問題ないように見えて、彼女らの苦しみに
私達大人が気づくことができないようです。

そうすると、大人になってから、、、というか、
就職してから大変な思いをすることが多いということが
分かってきています。

やはり、ちょっとした顔の表情が読み取れなかったり、
周りの空気を読んで対応するのが難しかったり、
誘いを断れなかったり、、、というか、、、
断る方法や断るためにはどんな言葉を使ったらいいか
分からなかったりとか、、、

こういった、一般の人であれば
自然に身につけて大人になっていけるところが、
自閉スペクトラム症の人達にとっては
教えられていないと難しいのだというお話をしました。

よく学校などで
「当たり前のことを当たり前にできる人になりましょう」って
言われますよね。

私達だと「当たり前のこと」というのはどんなことなのかを考えると、
挨拶がちゃんとできるとか、遅刻しないとか、提出期限を守るとか、
なんとなくその場に応じて想像できますけど、、、

自閉症の人達は、なんとなくこんなことかな?と
察するというのが難しいようです。

だから、早期発見・早期対応が必要なのですね。

小さい頃から、自閉症の特性を持っていることが分かっていれば
丁寧に教えて育てることができますし、

私達が彼らの特性をちゃんと理解していれば
自閉症の人達が自分を押し殺して、
他人のふりをして(普通のふりをして)
生きることは必要なくなるわけです。

自閉症の人達は、自分ではない自分を演じて
一般社会に合わせて生きていることが非常に多いのです。

そのため、うつ病になって、精神科や心療内科へ行って
初めて自分が自閉症だったと分かることも多くなってきています。

自分の子どもが自閉症だと分かっていれば
普通なら「さっさとやりなさい!」と言うところを
「何時何分までに○○を終わらせてね」と言えますから、

何でこの子は何にもできないんだろう?とか
私が言うことが伝わらないと思って
叱って育てる事がなくなりますね。

こういう時はこういうふうにするのよと
丁寧に教えて育てることができますから
二次障害も防ぐことができますし、

大人になってから、
「そんなことは教えられていない」とか
「そんなこと聞いたことがない」ということにもならないですね。

だから、自閉症の子を育てるときは
宇宙人が地球にやってきて
地球のことが何にも分からなくて困っている状態なのだと思って
丁寧に具体的な言葉を使って育てるというのがポイントになります。

そして、女性の精神科医で自閉症の方が書かれた
【無限振子】という本を紹介いたしました。

Lobinさんというペンネームで書かれているのですが、
いつ診断を受けるのが適切かという答えには
Lobinさんは「早ければ早いほどいい」とおっしゃっています。

早期発見・早期対応の必要性を感じる一冊です。
自閉症の女の子を育てるコツをつかむことができるかもしれません。

本の表紙の上をクリックすると詳細が分かるように設定しています↓

水田さんと中谷
チーフディレクターの石田さんが撮ってくれました。
水田さんと私です。

自閉症の子どもは「困った子」ではなくて「困っている子」なのよ~

2015年9月29日

発達障害

行動分析に基づいた子育てのコツをお伝えしている
特別支援教育ジャーナリストの中谷美佐子です。

学校でも地域でも
発達障害のある子ども達は
「困った子」と言われることが多いです。

しかし、本当に「困った子」なのかどうかは
自閉症体験をするとよく分かります。

一見、普通に見える自閉症の子ども達ですが
目に見えない感覚過敏や鈍麻があって
大変な状況の中で生活しています。

そんな彼らの生きている世界に少しでも近づいて
彼らと同じような体験をすることで
「困った子」と思っていた子ども達が
実は「困っている子」なのだということが
明らかに分かるようになります。

そんな体験記がありますので
こちらから読んでみてください↓
handicap
自閉症の子どもは「困った子」ではなくて「困っている子」?
自閉症体験×謎解きイベント「88ぶんの1」レポート 2015.8.24

何事も経験しないと人の痛みは
なかなか分かりにくいので、、、
自閉症の子ども達のことについて
どれだけ語っても分かってもらえないことは多いと思います。

そんなときは体験してもらいましょう!
疑似体験が一番ですね

さて、学習・発達支援員養成講座を10月25日から開講します。
この講座は将来、広島の小学校や中学校で
専門性のある支援員として働くためのものです。

まだ、広島では制度が確立していないため、
すぐには職を得ることはできませんが、
発達障害の子ども達への関わり方を学んで
職場で技術や知識を活かすことができます。

発達障害を正しく理解して子ども達を支えていきたい方は
こちらからお申込できます↓
NPO法人日本インクルーシブ教育研究所